森永卓郎氏は大手メディアの中で「まっとうな批評」を続けている勇気ある評論家の一人ですが、日経新聞ネット版に【 森永卓郎 厳しい時代に「生き残る」には】というコラムを掲載していて毎回鋭い分析をベースにまっとうな批判と現実的な提言をされています。
10月26日のコラムに小沢一郎元代表に関する記事がアップされていましたので下記に全文を転載しますので是非お読みいただき情報拡散をお願いします。
小泉政権が誕生した2001年から、政権が危険と判断した政治家や評論家や学者や新聞記者や一般市民を検察がでっち上げた事件で逮捕・起訴・長期 拘留し、その人物の生命、仕事、社会的地位・名声を抹殺する「政治弾圧」が開始されました。
検察のでっち上げ事件に呼応して大手マスコミは新聞とTVを使い「大本営発表」報道で世論誘導を行い「魔女狩り世論」を意図的に作り上げたのです。
日本の裁判官は公判の中で弾圧被害者が偽証罪の危険を承知でいくら真実を訴えても聞く耳を持たず、検事が密室で拷問的な取り調べでねつ造した検事 調書を優越的な証拠として採用し有罪判決を出してきました。
その結果日本の有罪率が99.7%という異常な数字に表れています。日本では起訴されたらほぼ100%有罪となる「暗黒社会」になっているのです。
私は2001年の小泉政権から開始された一連の政治弾圧を【平成の大獄】と呼んでいます。
【平成の大獄】と150年前江戸幕府末期に井伊直弼大老が「尊王攘夷派」100名を狙い撃ちにした【安政の大獄】とを比較してブログ記事 【「安政の大獄」と「平成の大獄」とインターネット】を書きました。よろしければ下記のURLでお読みください。
http://blog.goo.ne.jp/yampr7/e/d301c7e1e4a2dddf13a49ac7a20349ce
【平成の大獄】は戦後65年間日本を植民地として支配し搾取し人権と独立を奪ってきた米国支配層と日本人エージェントが、「対米自立・独立」を目 指す「対米独立派」をつぶすために仕掛けた政治弾圧なのです。
小沢一郎氏がこれほどまでにバッシングされるのは、小沢氏が主張する「国民生活が第一」「対等な日米関係」「官僚支配打破」「アジア共同体構想」 「抑止力には在日米軍はいらない」などの政策や主張が既成権力の既得権や利権や支配構造を根本から破壊する危険があるからなのです。
【平成の大獄】を仕掛け、小沢バッシングを仕掛けている主犯は米国支配層と旧自公政権及びその指令で動く検察(検察審査会、ヤメ検弁護士を含む)であり共犯は大手マスコミと裁判所でしょう。
賢明なる国民はこれらの隠れている「国民の敵」の正体を曝露して情報拡散し小沢一郎氏の政治的抹殺を許さず、日本の民主主義や主権在民の基本原則 を守る広範な国民運動を開始すべきなのです。
■メディアのネガティブキャンペーンで国民に嫌われた小沢一郎氏そのあおりで、民主党は右派グループの専横状態に。国民のために小沢一郎氏はリベラル派を結集し、新党を結成せよ
経済アナリスト 森永卓郎氏
2010年10月26日 日経BPNet 【 森永卓郎 厳しい時代に「生き残る」には】
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20101022/249489/?P=10
▼ 菅内閣の高支持率は国民の小沢嫌いの裏返し
民主党政権になって、鳩山氏・菅氏と、ふたりの総理大臣が登場した。
鳩山氏は普天間問題で迷走し、支持率を決定的に下げてしまい退陣に追い込まれた。
小沢氏・菅氏の間で争われた民主党代表戦を経て誕生した菅政権は、小沢氏の登場をよしとしない世論調査などを背景に、登場時に支持率をV字回復 させた。
政権運営のブレと共にジェットコースターのように支持率が乱高下するのもこの政権の特徴だ。実際、2010年9月17日と18日に毎日新聞が 行った世論調査で、菅改造内閣の支持率が前回調査よりも16ポイント高い64%と
急回復し、ほぼ内閣成立当時の数字に戻っている。
その後尖閣問題のあおりで、支持率は再び急落するが、本稿ではこの9月の数字に焦点を当ててみたい。
▼ 菅内閣自身は決して支持を集めていない
民主党代表選直後の「菅内閣支持率急増」原因は、誰の目にも明らかだ。
菅内閣の高支持率は「国民の小沢嫌い」の裏返しで、あくまで相対的なものに過ぎないのだ。
前述の世論調査では、小沢グループを排除した「菅改造内閣の顔ぶれを評価する」とした国民は60%、「岡田克也氏が幹事長になったこと」を評価 する国民が71%、そして「菅総理が再選されたこと」を「良かった」と考える国民に到っては、79%にも達している。
このことからも、「小沢嫌い」=「菅政権消極的支持」であることが読み取れる。
実際、「菅内閣の経済政策」を「評価しない」とした国民が、70%もいる。
この世論調査を素直に読めば、国民は菅総理の経済政策は気に入らないけれど、小沢氏が権力を握らなくて「本当に良かった」と考えていることにな る。
それくらい、小沢氏は国民に嫌われていたのだ。
▼ 小沢氏を弁護しただけで批判が集中
実は、私はこの空気を、代表選の最中から肌で感じていた。
「検察が起訴できなかったのだから、小沢氏本人は法律違反をしていない。代表選は菅氏と小沢氏の政策本位で考えるべきだ」と、私はずっと主張してきた。
ところがこうした原稿を書くと(関連記事:冤罪を生みやすい検察の体質。小沢一郎氏の事件も同じ構図ではないのか。今こそ郵便不正事件の教訓を 生かせ。)、山ほどの反論メールが寄せられる。
それだけではない。街を歩いていても、何人もの人から声を掛けられる始末だ。
「お前、小沢を応援しているそうだな。小沢は罪人だぞ。罪人を総理にして恥ずかしくないのか」。――おおむね、こんなような言われ方をする。
しかし、こうした「イメージ中心」の小沢批判は危険だと、私は強く感じている。
▼ 強制起訴でネガティブキャンペーンはさらに強化
まず第一に、もちろん小沢氏は罪人などではない。地検は何度も起訴をあきらめている。犯罪事実を立証する証拠がないからだ。
これに対し、国民の小沢嫌い、そしてその反映である大手メディアによるネガティブキャンペーンが、「小沢=罪人」という意識を、繰り返し繰り返 し高めている。
これが大衆迎合主義の危険な兆候でなくてなんであろう。
特に検察審査会の議決によって小沢氏が強制起訴されることになってからは「主要新聞すべてが小沢氏の議員辞職を迫る」という、一種異様な状況に まで到っている。
もちろん、ネガティブキャンペーンの一翼を担ったのは、ライバルを蹴落としたい菅総理自身だ。自分は「オープンでクリーンな政治」を目指すと主 張して、
暗に小沢氏にダーティーなイメージを与えたわけだ。
▼ 政治資金を完全公開してきた小沢氏
しかし、ここで皆さんに問いたいのだが、小沢氏は本当に裏でこそこそとやましい蓄財に励んでいたのだろうか。
事実は逆だったのではないか。
先日、ジャーナリストの上杉隆氏から聞いて驚いた。日本の国会議員で政治資金を1円単位で完全公開しているのは、鈴木宗男氏と小沢一郎氏くらい だというからだ。
今のルールでは「5万円以下の費用」については領収書を公開しなくていいことになっている。小沢氏は、そこまでも含めて政治資金を完全公開して いる。
普通はこうした人たちは「クリーンな政治家」と呼ぶものではないのか。
▼ 小沢氏の会見は完全にオープンだった
それだけではない。
たとえばネット世論などを見る限り、大手メディアによる「記者クラブ制度」を批判する声が多い。
こうした批判を辿ると、的外れな部分が実際はかなりある。
しかしそれにもかかわらず、小沢氏は、自身の記者会見を「フリーのジャーナリストやネットメディアに対してまで開放する」オープンな政治姿勢を 取ってきた。
メディアでは「小沢氏は政治資金について説明責任を果たしていない」とかしましい。しかし実際は、ずっと公開の場で説明を続けてきたのだ。それ を知りながら「責任を果たしていない」と主張する
メディアのほうがどうかしている。
国会という場で説明責任を果たすべきだという声もあるが、同様に西松建設から献金を受けていた13人の国会議員は誰も説明をしていない。ダブル スタンダードだろう。
▼ 小沢氏は新党を結成すべきだ
ただ、今さら文句を言っても仕方がない。
菅総理の続投は決まり、小沢氏は裁判への対応に追われることになる。そのうえで今後どうするかを考えないといけない段階だ。
私は、このままずっと民主党で冷や飯を食っているよりも、小沢氏は党を割って出て行くべきだと考える。
今政権を実質支配している前原・野田グループは、民主党政権のなかで、最も保守色の濃い政治理念を持っている。政策の考え方は、構造改革路線に 非常に近い。
最大勢力の小沢グループが冷遇される一方で、民主党国会議員の6分の1しかいない右派が、党を実質支配しているのだ。
小沢氏がそこに残る意味があるだろうか。
▼ 民主党も自民党も右派一色で染め上がる
一方で、自民党も石原伸晃、小池百合子、石破茂という新三役に世代交代することで、新しい時代に突入している。
この3人が掲げる政策も、構造改革路線と基本的に同じだ。
つまり、このままの状態で国政選挙が行われたとしたら、国民は民主党に投票しようが自民党に投票しようが、「経済政策だけ見れば」構造改革路線 を選ぶことになる。
リベラルを主張する人は、社民党や共産党に投票すればいい。ただし、これでは政権は取れない。もちろん社民党の票が伸びれば、自民党であれ民主 党であれ、与党も多少はその主張を取り入れるだろう。
しかし安全保障問題まで含め「全面に」というわけにはいかない。そうなると自らの投票が死に票になってしまう危険性がある。
小沢氏が党を割っていれば、こうした票を生かすことにもつながる。
▼ 小沢一郎氏の支持者は確実に存在する
そもそも、小沢氏が全面的に国民の支持を失っていると見るのは、実は早計だ。
新聞の世論調査とは異なるYahoo! JAPAN、ニコニコ動画といったウェブサイトにおける「代表選挙で菅総理と小沢氏のどちらを支持するのか」というネット投票では、小沢氏は実際に7割も の支持を獲得している。
ネットユーザーはテレビだけぼんやり見ている人たちとは異なり、多様な意見に触れ、自分なりの判断を確立している。
テレビの表層的な報道だけでは「小沢はカネに汚いから糾弾すべきだ」というダーティーなイメージが増幅される一方だが、それとは一線を画して小 沢氏の政策を評価する層が
確実に存在するのだ。
▼ 国民のために「反構造改革路線」結集を
ここまで、小沢氏が無罪であること、そして支持率は大手メディアの世論調査とネットメディアの世論調査では大きな食い違いがあることを述べてき た。
日本の将来を考えるなら、こうした政治家を生かさない手はない。
つまり、国民のために、構造改革路線と対立するリベラルな政策集団が選択肢のひとつとしてあってほしい。
簡単にまとめるなら、小沢氏は自民党左派と大同団結し、新党を結成すべきだ。私はそう考えている。
それに対し、民主党右派は自民党右派と合同すべきだろう。
日本の将来を決めるのは、なんといっても経済政策だ。
その経済政策を争点として2大政党に割れて議論するほうが、国民にとってわかりやすいし、なんといっても日本の将来のためになる。
小沢氏は、今こそ立ち上がるべきだろう。
【プロフィール】
森永卓郎(もりながたくろう)
1957年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。日本専売公社、日本経済研究センター(出向)、経済企画庁総合計画局(出向)、三井情報開発総合研究所、三和総合研究所(現:UFJ総合研究所)を経て2007年4月独立。獨協大学経済学部教授。テレビ朝日「スーパーモーニ ング」コメンテーターのほか、テレビ、雑誌などで活躍。専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済、教育計画。そのほかに金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。日本人のラテン化が年来の主張。
(転載終わり)
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