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【世話人情報】 「信用創造」のカラクリ No2

私はこの間ビル・トッテン氏の新刊書「アングロサクソン資本主義の正体」を広く紹介してきました。

ビル・トッテン氏著「アングロサクソン資本主義の正体」(東洋経済新報社刊¥1680)

この本のおかげで次のようなことを知りました。

① 世界中に流通するマネーの90-95%は民間銀行が供給し中央銀行の供給は5-10%程度でしかないこと。

→すなわち「信用創造」しているのは政府の規制が全くきかない民間銀行であり、彼らがサブプライム米住宅 ローンや各種金融商品を乱発して世界規模の金融恐慌を作り出したのだと言う事。

②各国の中央銀行はあたかも政府の一機関のような体裁を持っているが実はユダヤ金融資本が株式を所有する純然たる民間銀行でありマネー供給量や金利を独自に決定していること。

→米国の中央銀行である米準備制度理事会(FRB)の株主はロスチャイルド系銀行とロックフェラー系銀行が100%所有している純然たる民間銀行である。

→日本の中央銀行である日本銀行は株式の55%を日本政府が、45%を民間が所有している半官半民の銀行である。1998年の日本銀行法全面改正で日銀の政府からの独立が明確にされ政府は日銀総裁を罷免することができなくなった。 

③民間銀行は企業や個人に貸し付け(ロ-ン)することで「ありもしない幻のマネー・通帳マネー」を「信用創造」して金利をつけて膨大な収入を得 ていること。

→産業資本主義の段階では、民間銀行の「信用創造」による「通帳マネー」は農業や商業が工業や流通などの「実物経済」に融資され経済成長をおおいに促した。

→金融資本主義の段階では、民間銀行の「信用創造」による「金融経済」は「実物経済」をはるかにしのぐ規模となり、株、石油、金、鉱物、穀物、為替などに「投機」して巨額の利益を得る「ハゲタカ金融」となり世界中で「バブル」発生と破綻、価格暴騰、食料飢饉、暴動を引き起こした。

→金融資本主義の最終段階では、「実物経済」と「金融経済」の規模が甚大となり「実物経済」「金融投機」に加えて民間銀行自体がサブプライム住宅ローンやデリバティブ金融商品を開発して世界中に販売する「金融海賊」となった。その結果2008年9月のリーマンブラザースの倒産による世界金融恐慌を引き起こしその深刻な被害から今でも抜け出せないでいる。
    
④個人や企業や政府が膨大な借金を積み上げて今や返済できなくなっているのは、「信用創造」による景気回復→バブル発生の際借金した個人や 企業や政府がその後の「信用破壊」によるバブル崩壊→不景気の「景気循環」の中で返済不能となっっているからです。

→民間企業に「信用創造」と「信用破壊」の独占権を与える限り景気回復→バブル発生→バブル崩壊→不景気→大不況の「景気循環」は必ず起 こるのです。

→今我々が対抗しうる唯一の手段は、ローンやクレジットを拒否して現金のみで生活すること。我々が銀行やクレディット会社から借金すればするほど彼らに「ありもしない幻のマネー・通帳マネー」を増加させ逆に我々の首を絞めることになる。
    
→ 著者のビルトッテン氏の主張する根本的な解決方法は①民間銀行の「信用創造」特権を廃止すること②中央銀行を国有化し政府自らが貨幣を発行ることである。

⑤各国の中央銀行は法定準備金制度を採用して民間銀行が企業や個人に貸し出す金額の一定割合を預託させることで「ありもしない幻のマネー・通帳 マネー」を合法化していること。

→「法定準備金制度」をWikipediaで調べますと以下のように書いてあります。

現在の日銀の法定準備率は0.01%であり、簡単に言うならば銀行は100万円を日銀に積立て金として当座に預け入れるだけで10,000 倍の100億円 (正確には99億9900万円)まで存在しないお金を個人や企業に貸し付けることが法的に許可されているこということになる。

⑥政府は自ら貨幣を発行せず金利を払って中央銀行に貨幣発行を委託していること。

→そのため政府の財政政策と中央銀行の金融政策が一致せず有効で迅速な対策が出せない。

ある方が「民間銀行の信用創造の嘘」をわかりやすく解説したビデオ「借金としてのマネー」(47分)を紹介してくれました。

下記のURLで是非ご覧ください。

http://video.google.com/videoplay?docid=-446781510928242771# 
  

(終わり)

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