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【事務局】 検察審査会(法)問題研究会 講演 参議院議員森ゆうこ氏 

▼ 検察審査会(法)問題研究会 講演 参議院議員森ゆうこ氏

2010年12月24日 (金) ブログ「参議院議員 森ゆうこ」

http://my-dream.air-nifty.com/moriyuuko/

12月24日 13:00~16:00 憲政記念館会議室

「検察審査会問題研究する会」で講演する。(森ゆうこ、落合洋司弁護士、平野貞夫元参議院議員順)Hptops 講演要旨
                       平成22年12月24日 憲政記念館
                       参議院議員森ゆうこ

1.幽霊審査会に予算を計上することはできない。
2.「くじ引きソフト」で恣意的に審査員を選べることが実験で立証された。
3.検察審査会は憲法違反である。誤った法改正をした立法府の責任。
一刻も早い法改正が必要である。

1.幽霊審査会に予算を計上することはできない。
最高裁の通達により、審査会の開催状況を毎月15日までに報告する審査事件票について、多くの市民やジャーナリストが情報公開を請求した。
しかし、提出されたものは、公表された議決期日さえも黒塗りにされたものであった。悪戦苦闘の末ようやくその黒塗りの部分を開示させた。
もはや、検察審査会の情報は秘密にできない!
何故ならば、審査事件票のように議論の中身そのものに関係のない部分が一度開示された以上、まだ開示されていない同様の部分について、これ以上秘匿する根拠は失われたからである。検察審査会は速やかに国民の情報開示請求に答えなければならない。
12月22日の民主党法務部会において、検察審査会の適正な予算執行状況が確認できない場合は、来年度予算を認めることはできないので、12月27日までに検察審査会が私たちに検察審査会の開催状況を具体的に確認できる資料を提出することが確認された。
検察審査会の具体的開催状況とは、すなわち、個々の会議について、開催日時、時間、出席者への旅費等の支給、審査補助員及び担当検察官の出頭の有無、議事録作成の有無等々である。
幽霊審査会などと国民に疑念を持たれ、全く別の審査員11人の平均年齢が、確率上ありえない34.55歳と2回とも同じ結果となった、小沢一郎元代表の起訴議決を行った東京第五検察審査会は、特に一刻も早く具体的な会議の情報を開示すべきである。幽霊審査会に予算は計上できない。

2.「くじ引きソフト」で恣意的に審査員を選べることが実験で立証された。
  10月15日に参議院予算委員会で質問した後、IT公共調達の専門家を交えた「検察  査くじ引きソフト調査チーム」を立ち上げ資料を入手し検証を行い、実験をした結果、
  恣意的な審査員の選定が可能であることが立証された。小沢一郎元代表の議決を行った審査員が公正に選ばれたのか、疑問は大きくなるばかりである。

【森ゆうこ資料サイト参照:http://my-dream.air-nifty.com/siryou/

3.審査会は憲法違反である

●検察審査会は行政権を行使するのか?
検察審査会は起訴議決2回で強制起訴という行政権を行使する。
しかし、国家行政組織法、裁判所法、検察審査会法、検察庁設置法のどこにも検察審査会の行政機関としての法律上の位置づけはない。

●つまりどこが所轄なのか?
独立した権限を持つ公正取引委員会と比べてみると、独禁法28条で「公取委員長及び委員は独立してその職務を行う」と規定されており、同じようにその独立性が担保されている。しかし、第27条の2項にあるとおり「内閣総理大臣の所轄に属する」
独立性は担保されているが、その責任は最終的には内閣総理大臣にある。
このことによって憲法上の要請を満たしている。

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独禁法)
第二十八条 公正取引委員会の委員長及び委員は、独立してその職権を行う。
第二十七条 1.閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第三項の規定に基づいて、第一条の目的を達成することを任務とする公正取引委員会を置く。
   2.公正取引委員会は、内閣総理大臣の所轄に属する。

●翻って、検察審査会の所轄大臣は誰か?あるいはどこの機関か?
(どこにも属していない。)
検察審査会法1条では、検察審査会は、裁判所の所在地に審査会を置くという規定のみで、裁判所の中とは規定されていない。
裁判所に属しているのならば、例えば、裁判所法14条では司法研修所は最高裁判所に置くと書いてある。
【裁判所法 第十四条 (司法研修所)裁判官の研究及び修養並びに司法修習生修習に関する事務を取り扱わせるため、最高裁判所に司法研修所を置く。】

●検察審査会は3権分立の中のどれに属するのか?
憲法65条では行政権は内閣に属すると書かれている。
憲法66条第3項内閣は行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負うとある。

日本国憲法
第65条 行政権は、内閣に属する。
第66条  1 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及その他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。

●検察審査会はどの法律を見てもどこにも責任を負う上部機関がない。所管の大臣もいない。行政責任はだれが負うのか?

●立法・行政・司法のどれに入るのか?

●三権分立の目的はなにか?
三権分立の目的は権力の抑制と均衡によって国民の基本的人権を守ることである。
我が国における国家機関というものは三権のいずれかに属している。
行政組織は内閣の所轄におかれていて、最終的に内閣総理大臣が責任を負う。
  (例外)会計検査院 (森ゆうこ資料サイト:会計検査院とは「国会図書館資料」参照)

●第4権力ではないのか?

●憲法違反ではないのか?

●いったいだれがその責任を負うのか?
もし無罪になっても結果的に社会的制裁が大きい。一般国民であれば、会社を辞めざるを得なくなったり、裁判費用で経済的な打撃を受ける。また、政治家であれば政治生命を失う。

検察審査会は立法府、司法、行政のどれにも属さない。つまり、三権分立の三権のいずれにも属さない完全に独立した機関ではないのか?
そして、会議がいつ開催され、どのような審議が行われ、どのような審査補助が行われたのか、誰が議決したのか、本当に11人の審査員が参加したのか。何もわからない。しかも、その審査員を選ぶ過程が不透明である。
(くじ引きソフト調査チーム中間報告書)

仮にAがBに対して社会的な制裁を加えたいと考える。
Aは事件をねつ造し、Bを検察に告発する。
さらにマスコミに様々な虚偽の情報を提供し、世論を喚起する。
検察が捜査に着手するが、そもそもねつ造された事件のため、不起訴となる。
その不起訴についてAが検察審査会に不服申し立てをする。(申し立て出来るのは事件の被害者、利害関係者、そして告発人)
マスコミによって先入観をもった審査員により2回起訴相当の議決。
Bは刑事被告人となる。

このような誤った法改正をしてしまった立法府の責任は重い。
速やかに再改正をすべきである。12月22日の民主党法務部会において検討のためのワーキングチーム設置が了承された。

(*声明文はすでに転載していますので省略します)

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