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【世話人情報】 総務省記者クラブとフリーランス・ジャーナリストの緊急会談

報道を独占する「記者クラブ」と独占を打ち破り真実を国民に知らせるフリージャーナリストとの現場での闘いが開始されています

▼総務省記者クラブとフリーランス・ジャーナリストの緊急会談

「記者会見・記者クラブの会報を求める会」ブログより転載

http://kaikennow.blog110.fc2.com/
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総務省記者クラブとフリーランス・ジャーナリストの緊急会談
2011年1月5日、年初となる総務省記者クラブ主催による総務大臣会見が開かれました。

その記者会見に出席した畠山理仁氏(当会呼び掛け人/フリーランスライター)は、総務省記者クラブの意向をあえて無視し、インターネット生中継を行いました。

昨年末からこのブログでもお伝えしているように、総務省記者クラブでは、クラブ加盟社ではないフリーランス・ジャーナリストに動画撮影の許可を与えず、約1年間の交渉を経ても、動画撮影を認めませんでした(※この間の経緯については文末にまとめましたので、詳しくお知りになりたい方は、そちらをご参照ください)。

このインターネット生中継は、アーカイブとして公開されており閲覧する事が出来ます。

20110105片山善博総務大臣記者会見

http://www.youtube.com/watch?v=M8BP4Z2hezw

(※冒頭約11分間無音声ですが、11分程してから音声が流れます)


上記の動画でも確認できますが、総務大臣の記者会見終了後に、その場にいたフリーランス・ジャーナリストと、総務省記者クラブ幹事社で、動画撮影についての会談が急遽開かれました。

今回の行動は、会見開放を求める会としての行動ではなく、あくまでも畠山氏個人の判断で行った事です。

しかし、これまでの経緯をふまえ、このブログでも広くお知らせする事が重要だと判断し、上記の総務省記者クラブとの会談内容を、テキスト化して公開する事としました。

以下、その会談内容です。


■会談出席者

 ●記者クラブ幹事社(共同通信記者/以下「クラブ」)
 ●畠山理仁氏(当会呼び掛け人/フリーランスライター)
 ●小川裕夫氏(フリーランスライター)
 ●寺澤有氏(当会呼び掛け人/ジャーナリスト)
 ●田中龍作氏(ジャーナリスト)


(大臣会見終了後、数分経過。雑談のような会話が聞こえる)

【クラブ】 あの、この問題は、我々ははっきりと黙認したと
  か事実上容認したとかって話じゃないんで、これ今、会見
  の運営上、ここで止める訳にもいかないわけで、容認した
  って事じゃないんで……

【畠山】 ええわかってます

【クラブ】 今日は畠山さんだけが撮影されている訳ですね。
  他の方はされてない?

【小川】 僕はしてない

【寺澤】 僕はしました

【田中】 否、わかりませんよ。誰かやってるかもしれない

【クラブ】 最初、何も言わないで、通告なしでこうやって生
  中継するって事が国民の知る権利に繋がる事になるんじゃ
  ないかって確信を持たれてされるってご説明でしたけど、
  そこは僕は事実上理解するんですよ。(数秒間音声不明)
  途中で「これ生中継してるんです」っておっしゃったのは、
  どういう意図ですか? 告白されたのは?

【畠山】 大臣の見解を聞きたかったわけです。情報発信の当
  事者であるので、大臣自身がやめてくれと言われれば納得
  はできるんですけども、ただ大臣の意向はそういうことな
  んだということで、分かりましたと。で二次利用について
  発言がありましたけど、それはフリーに関わらず、報道目
  的であれば、テレビで放映されたものを録画して、悪意を
  持った人が改編するということは同じであると。というと
  ころで、ここは税金で建てられた庁舎の中で、大臣の意見
  なり主張なりとして使っている場所であり、その会見の模
  様が全部総務省として公開していないわけですよね。コス
  トの問題とか、おっしゃいましたけど。僕が自分の小遣い
  の範囲でできるネット中継で、記者会見の情報が、誰から
  でも見れるっていう状態にしておくってことが、国民の知
  る権利に資すると思いまして、ここは公的な場所だと僕は
  認識をしているので、そこで撮影する事が、僕自身、例え
  ば誰かのカメラの前に立って撮影の邪魔をするわけでもな
  く、着席しておとなしく、結果として今日は……

【クラブ】 結果として事実上会見の円滑な運営を妨げてない
  だろうってご判断ですね。事実上、言わなければ誰も気が
  ついてないでしょうし、そういうことなんでしょうね。ご
  趣旨はよく分かりました。何のためにやられているかって
  ことも分かりましたし、質問にあたって自分の今やってい
  ることを明らかにしたいってこともわかりました。けれど
  も、一応私どももまだルールを決めてて、これを変えるか
  ってことも……、まぁ本当に1年も経ってるのに議論も進
  んでないってことも、ある面では、ある面ではですよ、事
  実かもしれませんけども……、これ各社いろんなコメント
  があるかと思うんで、まとめるのが難しいっていうのが、
  正直な所なんです

【田中】 未来永劫まとまりませんよ。あなただって記者だっ
  たら分かるでしょう。未来永劫まとまるはずないよ

【畠山】 それぞれの方が、多分いろんなご意見をお持ちにな
  っていて、気持ちも分かるんですけども、皆さんお立場が
  ありますから、それを1つにまとめるってことはかなり難
  しいと思うんですけども、ただ報じる側の立場として、ま
  ぁ僕はジャーナリストと名乗っていませんけども、ジャー
  ナリストの皆さんが、同じジャーナリストが公の場でやっ
  ている……、例えば会社に呼んでそこでやっている私的な
  取材だったら、それはオープンにする必要はないんだと思
  うんですけどね。それは取材した人の判断だと思うんです
  けど……、税金でやっている、庁舎の中での会見室での会
  見を、他のジャーナリストが来て、録画をしたり撮影をし
  たり、自由に取材をする場で、会見の円滑な運営を邪魔す
  る意志がなくですね、ちゃんと一応のルールというか、会
  見中に立ち上がったりしないで、そういうことを守りなが
  らやることについて、同業のジャーナリストが妨害すると
  いうのは、これは、その人たちを僕はジャーナリストと呼
  びたくないので、ぜひここは検討していただいて……、検
  討していただいてというか、禁止するという条項をですね、
  なくしていただきたいと思います

【小川】 総務省の記者会見オープン化というのは、今日でち
  ょうど丸1年なんです。で、僕はですね、実は2年前、だ
  からオープンになる前の12月から広報の人に掛け合ってま
  して、その時に広報の室長(松田さん?とりあえず実名な
  のでカット)がおっしゃったのは、とりあえずトライアル
  なんだから、枠を設けないで何でもやってみれば良いじゃ
  ないか、というふうに記者クラブ側には投げていると。で、
  それで何か問題があれば、それは問題を精査して制限すれ
  ばいいけど、とりあえずトライアルなんだから何でもやっ
  てみようというのが、本質なんじゃないのっていうのが、
  広報室長と僕の話し合いなんです。それが記者クラブの方
  に行っているかどうか、僕は知りませんけども……。それ
  で、なぜ動画撮影を禁止しているのかっていうのが、いろ
  いろ各社さんの思惑があるんですけど、とりあえずまだト
  ライアルなんですよね?

【クラブ】 そうなんです

【小川】 であるならば、なんでそれを制限するのかわからな
  いんだから、そしたら一応やってみて、それでその結果何
  かしら、例えばテレビ会社さんが「こういう問題があるよ」
  とか、実際に何か不利益を被るような人たちがあるならば、
  じゃぁ話し合いでやっぱりナシにしましょうって、なるな
  らばいいけども、トライアルなのに何も挑戦せずに、「そ
  もそもダメだからダメだ」っていうのであれば納得がいき
  ませんよ、っていうのが、僕らの最初からの根本としての
  考えがある。それで、一応トライアルってことだから1年
  間我慢したっていうのが、僕らの中にあるわけですよ。ず
  っと僕らは、今の幹事社さんが担当する前から、12月に
  はいる前の段階から、それを言ってるんです。で、ずっと
  「検討します」「検討します」って先送りしていて、去年
  の話し合いがあったじゃないですか。そこで田中さんは
  「ダメならダメで結論を出してくれ」って言ってたけども、
  僕はもう、先送りされるって分かったんです。っていうの
  は、もうずっと先送りされてたから。5回くらい僕言って
  ます。なので、ずっと先送りされるなら、こっちから結論
  出すしかないじゃないですか。で、僕らが結論出すなら、
  もちろん、動画撮影させてくれって意見なんだから、結論
  として動画撮影認めるって結論しか出ない訳です。ダメで
  あるならば、そのちゃんとした理由とか、ちゃんとした話
  し合いを持ってダメって判断をしたい訳ですよ、僕らは。
  すみません、生意気言っちゃって

【クラブ】 本当に協議します。今回の件もあって……

【小川】 トライアルなんで、そこらへんは幅広くやりましょ
  うっていうのが前提にあったと思うんですけど、それがい
  つの間にかなくなって、トライアル期間なのに、もうトラ
  イアル期間じゃなくなってるみたいなのは、ちょっとどう
  なのかなって気がするんですけど

【クラブ】 分かりました。私個人としては、今回の件は大変
  遺憾なんです。だけど問題提起としては、一方で受け止め
  た事も事実なんですね。本当にこれ協議しますんで……

【寺澤】 それで、畠山さんとか我々とか出入り禁止ってこと
  になるんですか

【クラブ】 私の一存では決められません。それこそ話し合わ
  ないと

【寺澤】 出入り禁止になる可能性もあるんですか。どういう
  ルールになってるか知らないで聞いてるんですけども

【クラブ】 ルールも含めて、出入り禁止ってことがあるのか
  どうかも、わかりません。可能性があるかって事も予断を
  含めて返事できません

【寺澤】 そのお沙汰があるのはいつですか

【クラブ】 それも分かりません

【寺澤】 次の7日の会見も含めて動きがあったら教えてくだ
  さい。どうですか、今日の所、率直に

【畠山】 幹事社の方も大変だと思うんで申し訳ないと思いま
  す

【クラブ】 難しいですね。大臣がすごく時間がない事も間違
  いなくて、すごい短い時間のところを、こじ開けるように
  して、いろんな各社がいろんなテーマで質問したいことが
  あるわけですよね。ですから、できるだけ本来の政策の質
  問と答えって問答をしたいってことは、みんな共通してい
  る所だと思うんです

【畠山】 ただオープンにならないと、僕らは入り口の段階の
  事を、毎回1問は質問しなくてはならないので、本当に無
  駄だと思うので……。僕らだって「会見開けろ!開けろ!」
  っていうのが目的じゃなくて、その後に、ちゃんと政策を
  聞くための前の段階としてやっているので、早い所政策の
  ことをやりたいと思っているので

【田中】 大臣との政策問答をちゃんと充実したいっておっし
  ゃっいましたよね。それだったら、Ust中継やれば国民
  も参加できますよ。ほんの一部分しか新聞やテレビで載ら
  ないよりも、みんな知れるじゃないですか

【クラブ】 田中さんの主張はお伺いしました。分かりました

【田中】 否、主張じゃないですよ。客観的事実ですよ。事実
  として、一度に何万人って人が見られるんですよ。で国民
  も、政策論議に加われるんですよ。それが客観的事実です
  よ。それを主張なんていわないでください

【クラブ】 わかりました。事実として理解しました

【寺澤】 畠山さんも、今日は思いあまってやった事だろうし

【クラブ】 ちょっと待ってもらえますか。クラブで話し合い
  ます

【フリー】 よろしくお願いします

(以上、約12分間)

なお、参考までに大臣会見については、総務省が公開しています。

【総務省】片山総務大臣閣議後記者会見の概要
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_03000154.html


最後に、この間の総務大臣会見に関する記事を紹介しますので、これまでの経緯をお知りになりたい方は、ご参照ください。

2009年9月
政権交代後に、会見開放について、フリーランス記者が原口一博大臣(当時)に質問。インターネット報道協会やフリーランスが交渉をスタート。

2009年12月8日
原口大臣が、会見のネット中継歓迎の表明
【J-CAST】「ネット中継大歓迎」 総務相記者会見も開放へ
http://www.j-cast.com/2009/12/08055708.html

2010年1月5日
限定的なオープン化か始まる
【J-CAST】フリーやネットの記者が張り切る 総務大臣会見の開放スタート
http://www.j-cast.com/2010/01/05057338.html

2010年1月7日
総務省記者クラブによる参加条件方針
【ITmedia】「Web専業メディアはオープン化対象外」 総務省記者クラブに定例会見への参加条件を聞いた 
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1001/07/news077.html

2010年2月10日
総務省が各省庁会見の開放度を調査する方針
【J-CAST】原口総務相、行政機関の「記者会見の開放状況」を調査へ
http://www.j-cast.com/2010/02/10059931.html

2010年3月30日
原口大臣が各省庁会見の開放度の調査報告
【総務省】原口総務大臣閣議後記者会見の概要(その2)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/02koho01_000101.html

しかしこの調査報告は実態を反映していないもので、オープン化というにはほど遠い省庁もオープン化という評価となっていた。
以降、総務省記者クラブ主催の会見では、フリーランスの動画撮影に関する事項や、ネットメディアに対する参加条件について、具体的な進展はなし。

2010年12月22日
総務省記者クラブとフリーランス・ジャーナリストが懇談会で意見交換
【当会ブログ】総務省記者クラブとの懇談会
http://kaikennow.blog110.fc2.com/blog-entry-17.html

2010年12月29日
総務省記者クラブから「動画撮影を許可しない」との返答
【当会ブログ】総務省記者クラブからの返答
http://kaikennow.blog110.fc2.com/blog-entry-18.html
 
(終わり)

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