エントリー

2019年07月08日の記事は以下のとおりです。

はじめに ~なぜ再び小沢一郎なのか

 二〇一一年(平成二三年)四月、私たちは私たちの考えと取り組みとをまとめた本を出しました。題名は『私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか』。出版時の日本は、前月に東日本大震災と福島第一原発の事故という未曾有の大災害起こった混乱の時期でした。政治も混迷し、その様子は、国家の最高指揮官として官邸で差配すべき首相・菅直人が、何を思ったか自らヘリコプターで原発に飛び、現場作業を中断させて演説しただけで帰ってきたことにも象徴されていました。

 いつ実施されるかわからない東京電力による無計画な「計画停電」を心配しつつ、出版に向けた最終のゲラチェックを終えた私たちは、当時の民主党政権の不甲斐なさを嘆き、この政権の前途に大いに不安を感じていました。そしてその不安は現実となり、同年に野田佳彦内閣に代わり、翌年一月には、政権を自民党に明け渡すこととなったのは、周知のとおりです。

 この頃、小沢一郎は〝沈黙〟していました。小沢政権を阻止するためのでっち上げである「小沢事件」により、マスコミを総動員しての批判と、身内であるはずの民主党内からも、「小沢さんは少し黙っていてくれ」(菅直人)と排除されていたのです。

 私たちが小沢一郎支援の会を立ち上げ、その活動を本にまとめて世間に訴えた時、私たちは、多くの人から「よりによって、なぜ小沢なのか」と言われました。私たちが活動をはじめたのは、でっち上げを鵜呑みにした「小沢批判」「小沢攻撃」が、日本の民主主義を崩壊させると考えたからです。本の副題を『日本に真の民主主義を確立するために』としたのも<そのためです。「民主主義を守る」ではありません。守る以前に、確立さえしていないのです。

 私たちが声を上げたことに呼応するかのように、識者の中には「小沢批判」「小沢攻撃」が、何かの〝為に行われている〟ことに気づき、警鐘を鳴らす人たちも出てきました。そして「小沢事件」が、裁判での無罪判決を見るまでもなく、そもそも「事件」ですらないことがわかるにつれ、広く一般にも、「小沢批判」「小沢攻撃」の怪しさが理解されるようになっていきました。

 だからそれでよかったのでしょうか。そうではありません。

 マスコミは例によって自らの誤報とミスリードについて、謝罪も反省もせずにいますが、ネットの世界では「小沢事件」がでっち上げであったことは〝定説〟となっています。それでも、一部のネトウヨ、頑迷な左翼、〝文化人〟と呼ばれる著名人らによる小沢批判の書き込みも相変わらず少なくありません。この中には、「小沢事件」が冤罪であることを理解していない者もいますが、それを知った上でフェイクニュースを垂れ流している者もいます。でっち上げの「小沢事件」はまだ続いているのです。

 小沢一郎が「小沢事件」で民主党の代表を辞任したのは、二〇〇九年(平成二一年)五月です。それから一〇年、この国の政治はどうであったでしょうか。小沢を「批判」し「攻撃」し、「排除」した者たちの目論見が成功したのが、今日の日本の政治状況です。二大政党を目的に結成された旧民主党は四分五裂し、国家機関の劣化を象徴しているともいえるモリカケ事件をはじめ一連の問題にケジメもつけぬ厚顔無恥な安倍晋三内閣は、戦後最長政権となっています。

 時代は平成から令和に代わり、私たちが支援する小沢一郎は七七歳となりました。自身が率いる国会議員・衆参合わせて六名は国民民主党に合流しましたが、かつてのような勢力ではありません。それでも小沢一郎にこだわり続けている私たちは、この一〇年近い歳月における小沢一郎とその周辺の戦い、日本の政治状況、私たちの取り組みなどを整理し、これからの提言をまとめることとしました。それが、本書の出版の目的です。

 本書の出版企画を発表した時、少なくない人々から「今さら、なぜまた小沢なのか」と問われました。私たちは答えます。『日本に真の民主主義を確立するために』今だからこそ、小沢一郎なのです。

 

二〇一九年(令和元年)六月

「小沢一郎議員を支援する会」 代表世話人 伊東 章

 

------------------------------------------------------------------------------------

ご購入はこちら

------------------------------------------------------------------------------------

 

目次

はじめに なぜ再び小沢一郎なのか

  1. 「小沢事件」とは何だったのか

    1 「小沢一郎議員を支援する会の出発点」

    2 「小沢事件」と日本の政治状況
    3 「小沢事件」の本質を考える
    4 小沢一郎と日本の政治《インタビュー》
       二見伸明 氏  /  辻 惠 氏 /  森 ゆうこ 氏  /  山崎 行太郎 氏
第2章 民主党政権の成立と崩壊
    1 平成政界と小沢
    2 民主党とは何だったのか
    3 自民党政権復活後の状況
    4 野党共闘の必要性
第3章 私たちはなぜ小沢一郎を支援するのか《寄稿》
       須藤 知子  /  松木 けんこう /  仙波 敏郎  /  渡なべ 浩一郎  /
       内山 卓也  /  壺井 須美子 / 山梨 愛子  / 白幡 真美  / 姫井 由美子  /
       渡辺 伸介  /  橋本 久美 / 小野寺 守 / 塩川 晃平  / 森 哲子
    「小沢一郎議員を支援する会」活動記録
あとがき

 

------------------------------------------------------------------------------------

ご購入はこちら

------------------------------------------------------------------------------------

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2019年07月

- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着画像

新着コメント

Feed