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商業主義的スポーツへの反旗

「商業主義的スポーツへの反旗」

-大坂なおみのインタビュー拒否問題-

 

小沢一郎議員を支援する会 

代表世話人 伊 東   章

 

1、女子テニス界のスター、大坂なおみが、2回戦に進出が決ったところで全仏オープンテニスを棄権した。

理由は、試合後のプレスインタビューを拒否したことから、世界四大タイトル戦の主催者側から、出場停止処分を仄めかされたことであるらしい。

私が、このニュースを聞いて真先に考えたことは、正にこれが現代のオリンピックの構図を如実に表している、ということである。

ひと言で言えば、スポーツ界とマスメディアの癒着、というよりか、マスメディアによるスポーツの支配、ということである。

私が前回のブログで述べたのは、現代におけるスポーツは、マスメディアを含めた企業に、完全に支配されている、ということである。

企業、マスメディアの発展によって、それ迄は純粋に、それを楽しむ個々人のためのスポーツであったものが、企業のためのスポーツ、マスメディアのためのスポーツに変質した。

その究極の姿がオリンピックである。

平和のための祭典とか、国境を越えた友愛などというおためごかしのスローガンの下で、スポーツもスポーツ選手も、企業やマスメディアの金儲け主義のために利用されている。

そのために、企業もマスメディアも、一般の労働者と比較しても破格のギャラ、 賞金を未熟な若者に支払う。

従って、オリンピックの開催が、どんなにコロナ禍を増大させると判っていても、主催者も選手も、絶対にオリンピック中止、出場停止とは言わない。

 

2、多くのスポーツ選手は、試合に勝っても負けても、マスメディアでの露出を喜ぶ。

それは、様々な意味で自身の立身にとって大なり小なりメリットとなるからである。

そして、マスメディアもスポンサーも、自分達が支配する選手をマスメディアで広く拡散することによって、企業的な利益につなげている。

ある意味で、選手がマスメディアの要請に応じてマスメディアに露出することは、双方の共通した利益とも言える。

しかし、大坂なおみのインタビュー拒否は、そうした、スポーツ、スポーツ選手を支配する体制への痛烈な反抗と思える。

もちろん彼女とて、マスメディアやスポンサーの恩恵によって、現在のスターとしての地位及び富を獲得したのであるから、一概にそれらを敵視するわけにもいかないだろう。

場合によっては、これまで築いたテニス女王大坂なおみの地位を失うことになるかもしれない。

それは、マスメディアやプロダクションに楯ついた俳優やスターが失墜せざるを得ないのと同じ構図である。

大坂なおみの問題は、東京オリンピックと同様、スポーツ、スポーツ選手と国、企業、マスメディアの関係について大きな問題を国民に提起したと言える。

何度も繰り返すが、スポーツとは、個々の人間が人間活動の一環として行なうべき人間性の発露であり、それがカネ、権力、名誉などと結びつくべきものではない。

それは、老若、男女、貧富の差無く、万人が等しく楽しむものであり、かつ健全に行なわれるべきものである。

金と汚辱にまみれた現代におけるオリンピックを初めとするスポーツは、およそ本来のスポーツのあり方からは対極にあると言える。

願わくば、大坂なおみが、東京オリンピックへの出場をボイコットすることを切に望むものである。

以 上

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